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ウイルスプロテクターで火傷。原因は次亜塩素酸ナトリウム


2/18に消費者庁は、空気中に浮遊しているインフルエンザやノロウイルスなどを塩素成分で除菌できる、「ウイルスプロテクター」という空間除菌剤製品の使用を中止するよう 消費者に呼びかけました。この製品は、除菌成分の錠剤が入った本体ケースをストラップ状のひもで首から下げる携帯型のもので、使用者が化学熱傷というやけどに似た症状を起こした例が報告されています。今月に入って化学熱傷の重症例も含め、 既に6件の被害事例が相次いで報告されている為、同庁は使用中止を促しています。




このFNNニュース(フジテレビ系)でも言われている通り、消費者庁の確認では、2/2に千葉県でウイルスプロテクターを首から下げて使用していた人が幼児を抱いていたところ、幼児の胸が製品に密着して触れたことから重症の体感接触皮膚炎を負うという事故が発生しています。診断の結果、幼児は胸に全治1か月以上の火傷を負っていました。自治体や医療機関からも同様にして火傷を負ったという報告が届いているそうです。

化学熱傷の原因は、製品に使われている錠剤の形状をした「次亜塩素酸ナトリウム」の成分に人体から出る汗などの水分が触れることで強酸性となり、服の上からでも皮膚に強い刺激をもたらす事が推測されるとしており、実際に製品が直接肌に触れている場合は化学熱傷を引き起こすという事です。

次亜塩素酸ナトリウムは通常、漂白剤などに含まれる成分で、水分に反応しやすい物質です。国民生活センターの調査によれば、製品に使用されている薬剤を豚肉に接触させる実験を行うと 60分後にはタンパク質の変容がみられたそうで、次亜塩素酸ナトリウムの薬剤の成分は間違いなく皮膚に障害を与えると警告しています。

こうした化学熱傷の症状は、化学物質による皮膚・粘膜の損傷である為、普通の皮膚のかぶれとは異なり、使用してから数時間で発症するという特徴があります。皮膚の状態も痒みではなく、火傷をした時のヒリヒリする感じがやや強く起きるそうです。同庁は、もし除菌剤に触れた皮膚が赤くなっていたら、ぬるま湯でよく洗い流して、直ちに皮膚科の診療を受けるよう呼びかけています。

製品は中国で製造されたもので、販売は株式会社ダイトクコーポレーション(金沢市)が行っており、塩素成分でウイルスや菌を除去し嫌な匂いも消臭するとうたって、1月25日から約70万個が市場に出回っていたそうです。厚生労働省は近々、同社に製品の自主回収を促すという甘い対応です。3割が未開封であったとしても、約50万人の消費者が危険なほど高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを日常的に首から下げていた事になります。



21世紀の日本でこの事態はどうかと思うのです。問題はこのウイルスプロテクターという製品が自社開発であったか、中国で生産された既存製品のOEMであったかですが、株式会社ダイトクコーポレーションを調べると本業は金沢の印刷業という事から、OEMであったと推測することができます。もしかしたら社内にこうした事故が起きることを想定できる化学的知識のある者が1人もいなかったのかも知れません。そして、会社の収益を上げようと安易な儲け話に乗ったのかも知れません。それが推測でなく今回の事件の実態だったなら、もう本当にたまったもんじゃありませんね。




このエリアクリンという製品は、また別の種類の空間除菌をうたうものですが、製品に使われている成分は「ディゾルバ・ウォーター」という聞き慣れないものです。 しかし映像から分かったのは、それが次亜塩素酸ナトリウムの薄い水溶液であるという事です。人にやさしいとか言ってますけど、今回のウイルスプロテクターによる事故の後では、どうやって人にやさしい事を消費者に説明できるというのでしょう。薬品の濃度が薄い為に安全なのかも知れませんけど、成分はウイルスプロテクターと同じです。万が一の事態を想定した場合は、その効能や安全性に関しては何とも言えません。

企業はどこも自社製品を売りたくて広告を出している訳ですから、消費者はどこまで製品を信頼できるのか不安です。もっと消費者庁も厚生労働省も国民生活センターも厳格な立場で誇大広告や製品の安全性を見張るべきだと思います。今回の様に、事が起きてしまった後で処理をするだけでは全く不十分です。結局はエリアクリンというこの製品も古典的な消毒剤の呼び名を変えているだけで、それを付加価値の様に見せているという事が分かります。安易に「人にやさしい」といった言葉とか、ナレーションの「癒しムード」の口調に流されてはならないと個人的には感じています。

ウイルスプロテクターの様な首から下げるタイプの空間除菌剤という製品は、まだ国内で販売されてから日が浅かった様です。自分はこうした製品を購入したことも店頭で見かけた事もありませんでしたが、たぶんテレビCMで見たという記憶がかすかにある程度でした。あくまで販売元が日本の会社である事から、安全確認も 製造責任も販売会社が負う義務があると思います。次亜塩素酸ナトリウムが使われている同様の製品は、まず購入も使用も控えた方が良さそうです。製造が中国だったというのが更にイメージを悪くしています。きっと開発が容易で材料費も製造コストもかからないボロ儲けの商売だったのでしょう。OEMやライセンス販売ならなおさらです。単価は380円だったと判明しましたが、原価なんて15円くらいじゃないんでしょうか?

この様な製品を初めて世の中に販売する前に販売会社は充分なテストを行ったと言えるのでしょうか?製品を使用する上でのあらゆる事態を想定してテストを重ね、安全性を確認するのは企業の努めである筈ですが、どうやら最近はそういった面もズサンなのか。インフルエンザやノロウィルスといった目に見えない脅威が我々の日常を脅かしているさなか、本来はこうした製品によって保たれるはずの我々の健康が、逆に火傷を起こすといった重大な事故につながったとは本末転倒であるとしか言えません。消費者庁は首から 下げるタイプの携帯型空間除菌剤が全て問題ではないとしていますが、実際どうなんでしょう..。

今回の事件が起きる前からこうした空間除菌をうたう製品が成熟しつつあった訳ですから。「全て安全」と手放しで評価してよいのか..。とりわけ二酸化塩素を使用している製品は比較的安全という程度でしょう。ウェブ上では今回の事件を受けて、どの製品のページ内にも次亜塩素酸ナトリウムは成分として含まれておらずウイルスプロテクターの様なやけど事故は起こらないとハッキリ銘打っていました。それでも商品名や形状が似ていることから、まだこの今は消費者も戸惑うことでしょう。風評被害の様な状態がしばらく続くならメーカー側とて被害者の立場にも成り得ます。

こちらを読むと、 → 次亜塩素酸ナトリウム  → 二酸化塩素  次亜塩素酸ナトリウムは塩素ガスの発生とか爆発とか、とかく日常で扱うには危険性のある物質である事が分かり、二酸化塩素もいくぶん安全とはいえ気化したものに関してはその定義が未だあいまいである事が分かります。こうした化学的な裏付けの下で上記の様な製品の安全性を理解するべきで、消費者側の認識が必要とされます。

身の回り品が安全かどうかを定めるのは、個々のメーカーが行うだけでなく、国がきちんと科学的に証明すべきです。ザルみたいな法律や規制は不要ですし、当然ながらこうした製品の評価作業をいちいち消費者が行わなくてはならない訳もなく、他にも安全性が疑わしい製品がまだあるならば、早急に白黒つけて欲しいです。もちろん全く別ジャンルの商品も同じで、今回の様な事が起きるとドラッグストアの店内にはまだ疑わしい物が幾つもあるとしか思えなくなります。


空間除菌グッズばかりに頼らず、中国の大気汚染で話題になった「N95規格」という製造ルールで生産されたマスクも併用するのがインフルエンザやノロウイルス対策には効果的だと思います。これからの季節の花粉症や、中国からの大気汚染物質、PM2.5も防ぐことができる優れものです。

PM2.5にN95で対抗するとか...まるで遠い昔に想い描いていた近未来社会の戦闘のようです。
これから先も未知のウイルスや有害物質に我々は悩まされていくのでしょうか..。











   


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