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前田敦子世界デビュー作「一九〇五」、尖閣がらみで製作中止


2/25に信用調査会社の帝国データバンクは、映画製作や映画の配給・版権販売を行うプレノン・アッシュ(資本金8000万円、本社東京都港区)が2/20に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた事を明らかにしました。

昨年に製作を手掛けることが決まった日中共同製作映画「一九〇五」が、尖閣諸島をめぐる日中関係の問題が悪化した事から中断せざるを得なくなっており、その結果資金繰りが悪化した事が破産の原因となったようです。 帝国データバンクによると、同社の2000年10月期の売上高は約5億2000万円だったものが、この10年で配給作品が減少して2011年10月期は約5000万円にまで落ち込んでいたとのことで、今回の負債学は約6億4300万円と言われています。

破産の大きな理由としては、トニー・レオンが中国国内で「一九〇五」への出演を批判された為に出演を見送るという事態が事実上起きてしまい、レオンは批判の圧力に屈したかの様に「まだ正式な契約は交わしていない。」と発言せざるを得なくなり、降板の意向を示した事から製作日程のスケジュールが「無期延期」となって、その影響から製作資金がひっ迫して会社の経営を維持できなくなった事があげられます。レオン批判の根底にあったのはもちろん尖閣問題に他なりません。


「一九〇五」は、国際都市になりつつあった約100年前の横浜を舞台にしたアクション映画で、香港出身のトニー・レオン(梁朝偉)(50)と松田翔太(27)の取り合わせに元AKB48の前田敦子(21)を加えた3人をメインに、黒沢清監督による製作となる事が昨年9月に明らかになりました。

当初は海外でも高い評価を受ける黒沢監督がメガホンをとり、香港を代表する国際的スターであるトニー・レオンの主演作ということで注目されました。また、昨年にAKB48を卒業して今年5月には中田秀夫監督のホラー映画、「クロユリ団地」が公開されるなど、女優として順調な道を歩み始めた前田の事実上の国際女優デビュー作となる事なども話題性に拍車をかけていました。

物語はレオンの演じる中国人・ヤンと、松田の演じる日本人男性の友情を描くもので、松田は中国語の台詞に初めて挑む事になる為に、ここで心機一転を図るつもりだった様です。一方、前田はヤンが出会ったことで魅了されていく日本人女性という設定で、ヤンと絡む「運命の女」といった重要な役でした。現在も中国系の人が多い横浜の街で1世紀前の時代に繰り広げられた、全編中9割の台詞が中国語という壮大なスケールの作品になる筈の映画でした。

この映画は国境を超えた友情を描く作品として、日本や香港・台湾をはじめ、全世界での配給が視野に入れられていました。その為、 松田と前田にとってはまさに世界デビューを果たす重要な作品になる事が期待されていて、「レッドクリフ」などの歴史大作で知られるレオンにとっても、日本映画初主演作となる作品だったのです。

クランクインは当初昨年11月とされており、日本と台湾で大規模なロケによる撮影に入る予定でしたが、尖閣諸島問題に端を発した日中関係の悪化が起きて、今年に入っても状況は変わらなかった事により、この映画の製作は経済的事情から頓挫してしまったのでした。


プレノン・アッシュは1988年に創業し、1991年に法人化。これまで主に中国、香港、台湾の外国映画作品の配給などを手掛けてきました。特にウォン・カーウァイ(王家衛)監督の、「欲望の翼(1990年)」、「恋する惑星(1994年)」、カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した「ブエノスアイレス(1997年)」などでは、斬新な視点による香港の街の風景の捉え方と実験的な演出が評価され、カルト的な人気を博しています。2000年以降では「チルソクの夏(2004年)」佐々部清監督、「スープ・オペラ(2010年)」瀧本智行監督、坂井真紀主演などの日本映画を配給しています。

「一九〇五」は今秋の全国公開に向けて、製作はプレノン・アッシュ、配給は松竹との共同配給を予定していましたが、同社の破産決定を受け松竹の秋元一孝・映像部門担当取締役は「期待が寄せられた作品が製作中止となり、残念です。」とコメントして、同日中に製作中止を発表しています。今後のこの映画を巡る扱いや同社と松竹の取り組みに関しては不明です。

前田はこの「一九〇五」に出演することが決まると、「全力で演じて、女優としての素晴らしい経験にしたい。」とコメントしていましたが、今回の中止を受けた後の公式なコメントはまだ何も発表されていません。当然ながらこの事態を最も残念がっているのは当の前田に他ならないでしょう。

映画の中止が明らかになった2/25の前田は、WOWOWのアカデミー賞授賞式の生中継の番組にゲスト出演して興奮していた様子で、特にジェニファー・ローレンス(22)の主演女優賞受賞には「カッコいい」とコメントするなど、世界的に活躍する同年代の女優の快挙に前田自身も刺激を受けた様でした。初めて中継に参加できたという自身の体験を、「最高の気分」を味わえましたと語っています。

去年の10月末に始めたばかりのツイッターでは前田自身が鑑賞した映画についての話題に何度か触れている為、最近は「映画好きの前田」といった面がファン達の間で話題になっているそうです。今回のアカデミー賞授賞式で感動した自身の思いが同日のツイッターには書かれていました。


映画などの表現芸術は本来は日中間の文化交流の場で語られ、素晴らしい作品であればある程その貢献度は高い筈なのに、そこに中国が勝手に捏造した領土問題が絡んできてしまってこうした事態が起きるのはとても悲しいものがあります。それは1つの映画製作・配給会社の倒産という話で終わるだけでは当然済まされないのです。

しかも、まだ若い松田と前田の2人が国際的なデビューを果たすチャンスがこうした形で踏みにじられていく事に憤りを感じる我々1人ひとりは、国対国の問題に対して何をどうする事もできません。




現時点ではYouTube上に殆どこの問題に関する映像が見つかりませんでした。唯一、意見らしい意見があったのがこれでした。自分は大方この人の意見には賛同できます。


我々日本人は、はけ口の無い苛立ちから暴動を起こすほど民度の低い国民では決してありませんし、人様の国の国旗を燃やしたり、街中の商店を破壊したり自動車に火をつけてみたり、そんな事で国家間の問題が解決できるとも思っていません。利潤に目が眩むあまり環境保護を無視して水資源や大気汚染を放置し、何も為す術が無くなる程愚かではありません。更には嘘ばかりついて、何でも一方的に相手のせいにして満足する程幼稚でもありません。それは一部を除く世界中の国々が衆知の事実です。

隣国および隣国の人々を嫌悪する教育を小さな頃から散々受けてきた理由は、自らの国の独裁者に批判の矛先が向かわない様に仕向け、絶えず敵対する相手を外に造っておく為の洗脳です。億単位の人民がまんまとそんな陳腐なワナにかかっているという現実に直面すると、とても悲しい気持ちになります。

やはりこの映画の看板である全アジア的な人気の中心はトニー・レオンなのであって、彼の国籍も文化的なバックボーンも中国である以上、この映画の製作は頓挫したまま時間だけが過ぎるのかも知れません。今後も日中合作の映画は多かれ少なかれ尖閣の問題に巻き込まれる可能性から逃れる訳にはいかないのでしょう。元来、文化交流とは国家間の平和の営みの中でしか維持できないものであるならば、この世の全ての表現芸術家達は決起し尖閣の問題を解決させる術を模索していくべき使命を背負っているのだと思いました。


しかし今回の事態は、直接的な日中間の外交カードにこの映画そのものが使われた訳ではなく、単なる製作・配給会社の資金面での行き詰まりであった事から、「一九〇五」が幻の作品となってお蔵入りとなるのはまだ早いという気がしています。いずれはこの映画の製作を引き継ぐことのできる第三者が現れるか、あるいはネットを駆使して全世界から寄付を募るなどの試みが起きれば、いつかまた製作の資金が調達できるようになって、再び製作を開始できる日が来るかも知れません。

その日は、ある意味では尖閣問題が現在の様に無理矢理泥沼に片足を突っ込まされている状態から抜け出せる日であり、日中間の対立が消滅していく記念すべき日にもなるでしょう。領土問題や政治的対立によって表現芸術が巻き添えとなるこうした事態が、また再びどこかで起こらない事を心底願います。


とにかく、せっかく世界的な俳優となるチャンスをフイにした前田敦子と松田翔太が可哀想でなりません。もし尖閣の問題が無ければ、2人はこれからのステップアップを目指すことができたのに、本当にガッカリしてしまいます。 特に前田自身が今回の事態を、この今もどれだけ嘆いている事でしょうか。

トニー・レオン扮する中国人・ヤンが、すっかり大人のイメージに変身した前田と恋仲になって絡むシーンとか見てみたかったですね。そんな、良い意味で期待を裏切られる体験をしてみたかったです。 今回の事態で心の中に蘇ったのは、あのお馴染みの泣き虫顔の「あっちゃん」の姿でした…。

いつかまた彼女にビッグチャンスが到来することを祈るしかないですね。
残念ですが今回の件は仕方がありません。











   


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