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樹木希林の全身がんに続いて、辛坊治郎が十二指腸がんを告白


3/8の第36回日本アカデミー賞授賞式のスピーチの場で、女優の樹木希林(70)さんが「私は全身がんなんです」と衝撃的な告白をする一幕がありました。樹木さんのがんとの闘病生活は2004年の夏に乳がんが発覚した事から始まり、2005年の1月には右の乳房の全摘出手術を受けています。その2年後の2007年には以前と同じ場所にがんが再発してしまいましたが、その時は手術を受けず鹿児島で局所的な放射線治療を受け快方に向かっていました。

樹木さんはその後の経過が思わしくない事を昨年9月に女性週刊誌「女性セブン」で語っていましたが、先日発売された同誌の3月28日号でも自身が全身がんで13カ所に転移している事を告白し、「がんで死ぬって一番いいんです。準備ができるじゃないですか。それぐらいの感じでいます。」と 語っています。樹木さんは他にも60代で気管支喘息や網膜剥離といった病を克服してきており、今回の全身がんの告白に関して本人はさほど動じ ていないかに見えます。




こちらは樹木さんが出演した「わが母の記」(原田眞人監督)の広告映像です。原作者の井上靖の邸宅のある東京・世田谷区で撮影が行われた事が話題になりました。この作品は今年の日本アカデミー賞で優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞に輝き、樹木さんは歴代最年長の最優秀主演女優賞を獲得しました。樹木さんがこの賞を受賞するのは2度目となり、例年の慣わしから翌年の授賞式の司会は樹木さんが務めることになります。

今年の司会は昨年「八日目の蝉」(成島出監督)で同賞を受賞した井上真央(26)が務めましたが、これについて樹木さんは、「来年が大変。私は全身がんですから。来年の仕事はお約束できないんですよ、本当に。」と語り、1年後の自身の健康状態が保証できず、いつ体調が急変してもおかしくないという事をはっきりとテレビで示していました。この発言には会場にいた人たちも驚いていた様子です。




こちらは2012年3/16に行われた「わが母の記」の名古屋での舞台挨拶の時の様子です。よほどの映画ファンでない限り内容的には冗長かも知れません。ちょっと音声が聞き取りにくいのですが12分26秒の所で樹木さんが司会の松岡ひとみから、映画のポスターにもあった役所広司(57)が樹木さんを背中におんぶするシーンに関して、「役所さんの背中の感触は?」と質問されると、12分43秒の所で「美人女優が乗っかってるならいいんですけど、悪かったですね。 重いんですよ。結構、私がね。」と役所を気遣うと、役所は「重くないんですよ。軽いんです。」とフォローしたものの、「だって、立ち上がれなかったんだから。」 とすかさず反論して会場の笑いを誘っていました。


樹木さんのがんは、2008年頃には脊髄や副腎、腸などに転移しており、13箇所を放射線の照射によって治療したそうです。鹿児島の主治医は、2010年以降は治療をしていませんが、「がんは今のところ全部消えている状態」と言っています。末期のがん患者であっても比較的元気なことも珍しくはないそうですが、樹木さんは2つの病院の医師から意見を聞くというセカンドオピニオンを行っているそうです。関係者によると現在はまだ深刻な事態になっておらず、定期的な診療と治療をしながら経過を見ているとの事でした。

この様な状況を樹木さんはずっと以前から家族に話しており、娘の也哉子さんから電話がある度に「生きてる?」と聞かれ、夫の内田裕也さんからは「死ぬ時はオレ連れて行くなよ。」と言われているそうです。内田さんとは別居しようが喧嘩しようが決して離婚はしないという樹木さんの考え方も何だかこの今は理解できる様な気がしてきます。自らの身に迫るがんの恐怖と刻々と死に向かっていくことへの覚悟は、その境遇になった者しか理解できないものがあると思います。

抗がん剤治療を否定している樹木さんは全ての不安を乗り越え達観したか見えます。その後のインタビューで樹木さんの自宅を訪れた記者が樹木さんの健康を気遣っていても、「心配なことないでしょ、他人のことですから。」と インターホン越しに応じています。そのあっけらかんとした発言の1つひとつは気丈そのもので、やがていつかは死を迎える自分も見習うべきものがあると感じました。

個人的には樹木さんはまだ意外と大丈夫そうに見えるのですが、本人の発言を聞くと何とも言えません。自分は銭湯を舞台にした大昔のドラマ「時間ですよ」(TBS系)の出演時に、まだ悠木千帆(ゆうきちほ)と呼ばれていた頃からの樹木さんのファンですので、思い入れはとても深いです。


一方では、「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)などの出演で有名なフリーキャスターの辛坊治郎さん(56)も自身の十二指腸がんを告白しています。辛坊さんは 3/13に東京・新宿の吉本興業本社で開いた記者会見の場で、小型のヨットで全盲のセーラー・岩本光弘さん(46)と共に太平洋を横断する「ブラインドセーリング」への挑戦を発表した後、昨年11月の人間ドックの検査で十二指腸がんが見つかった事を告白しました。

「ブラインドセーリング」とは視覚障害者がハンドルとアクセルを担当するヨットレースの事ですが、今回の様に全盲者がダブルハンドで小型ヨットによる太平洋横断をする事は世界初の挑戦だそうです。これは米国サンディエゴ在住の岩本さんのかねてからの夢を実現するもので、岩本さんは、「ヨットマンのひとりとしてずっと思っていました。ヨットによる太平洋横断という夢の実現に向けてあと3ヶ月となりました。」と希望に燃えています。

辛坊さんは、現在担当している読売テレビのレギュラー番組があるので大きな声では言えないとしながら、「そろそろ疲れたな…。」と漏らし、「ちょっとどっかで休みてぇなと思っている時にこの話(ヨットによる太平洋横断)が来て、これだったら休む絶好の理由だ!と思って乗っかった様なもんです。有難いなと思っています。」と、本音を語っていました。


自身のがんについては、「年末に人間ドックに入ったら、そこで十二指腸がんが見つかった。医者が言うには、「放っといたら3年で死ぬね」って。でも、 これ普通は見つからないよねって場所がたまたま内視鏡で見つかったんです。このプロジェクトが無かったら死んでたかも知れないって、まだ死んでませんけどね。何年か後に死んでたかも知れない。その後CTで他に転移が無いかを全部調べてもらったら、医者が言うには若干肺に影があるから4月の頭にもう一度撮り直しましょうという話しになった。」と一気に語り、「もしこれがアウトだった場合に、どうなるのかなぁ..と。正直、私いま。実は一番抱えている懸念材料なんです。これで、だって…行かなきゃ格好悪いでしょう。」と、迷いながらも決意を固めています。その終始笑顔での発言は内心の不安な気持ちを封じ込めているかの様にも見えましたが..。

記者会見の場では「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)の司会者の宮根誠司(49)に対して、「宮根さん、あのーですねぇ。もしかしたら出航までに倒れるかも知れませんから、そしたら宮根さん。代わりに行って下さい!お願いします。」と無茶振りのメッセージを投げかけ、これが同番組で放送されました。これまた笑顔での発言でしたが、辛坊さんの心境を察すれば全盲者とこれからがんを克服していく者とが共同作業で世界初のチャレンジに挑む前のプレッシャーが理解できます。

「ブラインドセーリング」の全航程は55日で、8160kmの距離を航行します。6/16に福島からスタートして8/10に米国サンディエゴに到着する予定です。しかも使用するヨットは2011年にお笑い芸人の間寛平さん(63)が「アースマラソン」を達成した時に使ったエオラス号で、奇しくも間さんは2010年の1月にトルコ共和国に立ち寄った際に前立腺がんを発症していた事が判明しています。


6/16を前に、4月の再検査の結果次第によっては取りやめになる可能性を孕んでいますが、早稲田大学の在学中に同好会でヨットセーリングを始めた辛坊さんの数十年来の夢だった事を自身の健康上の理由から取りやめるかどうかは医師と相談した上で決定する事であり、恐らく人生最後の大きなチャレンジとなるであろうこの計画を心情としては止める訳にはいかないと思います。当然ながら上記の辛坊さんの発言にあった「行かなきゃ格好悪いでしょう。」というのは不本意な理由に過ぎません。

辛坊さんは昨年12月に内視鏡を使った十二指腸がんの摘出手術を受けていましたが、手術の当日も番組に出演しており、「テレビ出て解説してる場合じゃないだろ!」と 自分自身に突っ込みを入れていました。その明るい立ち振舞いの裏には、テレビのレギュラー番組を幾つも抱えて心身共に無理を重ねてきた末だった事があったと言えます。今回のCTスキャンによる検査では若干肺に影があるという事を医師から指摘されましたが、「多分大丈夫」と言われているそうです。

しかし、目下のところこれが辛坊さんの不安材料で、恐らく気が気じゃない状態でしょう。辛坊さんは、「人生はイベント。イベントのない人生はつまらない。」と、夢の太平洋横断にチャレンジする思いを馳せていましたが、その意気込みとは裏腹に現在の心境は複雑である事がうかがえます。


がんに冒された樹木希林さんと辛坊治郎さんの好対照とも思える人生ですが、2人の共通点は共に明るくがんと向き合っているという事だと思います。もし自分が同じ境遇になったとしたら、そんな気持ちでいられるのかどうかと考えてしまいますが、少なくとも今回は「絶望的な現実を前に、人はどう生きるべきか」という事を教わった気がします。こうした2人の生き様からは学ばせて頂く事ばかりで、随分と勇気をもらうことができました。

樹木さんには来年の日本アカデミー賞の司会だけは是非務めて欲しいと思いますし、辛坊さんは岩本さんを支えて見事に「ブラインドセーリング」をやり遂げて欲しいと願うばかりです。












   


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