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歌舞伎座こけら落とし公演。大御所から若手までスター勢揃い


3年間の建て替え工事を終えて新しくなった歌舞伎座が開場し、4/2にこけら落とし公演の初日を迎えました。今回で五代目となる歌舞伎座はオフィスビルと併設されており、2013年の2/26に建て替え工事が完了しています。開場式は記念行事の「お練り」のパレード(銀座・中央通り)と共に3/27に始まり、2日間に渡って行われました。

地下4階、地上29階建てで高さ143mのオフィスビルは「歌舞伎座タワー」と名付けられ、銀座地区では最も高い建物です。歌舞伎座と併せて「GINZA KABUKIZA」という名称が定められており、シンボルマークも制定されています。キャッチコピーは「イザ、ギンザ、カブキザ」に決まりました。

旧歌舞伎座は老朽化の為に2005年から建て替えをする検討に入っており、早稲田大学特任教授の伊藤滋氏(81)をリーダーとする歌舞伎座再生委員会が「建て替え+超高層オフィス棟」という草案を出しました。一方では旧歌舞伎座が銀座の主要なランドマークとして親しまれ、2002年に国の登録有形文化財に登録されていた事から保存を要望する声もありました。2009年から「さよなら公演」が1年余りに渡って行われた後、2010年の4月30日には閉場式が行われ、その数日後から解体工事が着手され始めました。




こちらは新しい歌舞伎座の特徴を紹介しているFNNスーパーニュース(フジテレビ系)の映像です。アナウンサーが「内覧会」と言えずに噛みまくっていますが、さすがフジといった感じです。w

「広く、見やすく」をテーマに建設が進められた五代目歌舞伎座は、大間と呼ばれる1階正面ロビーに入ると真紅の絨毯と濃い朱色の柱が目を引きます。絨毯には1951年に開場した四代目歌舞伎座の初期に敷き詰められていた京都・平等院鳳凰堂の装飾をモチーフにした模様を復活させています。3階ロビーの壁にはこれまで歌舞伎界を支えてきた名優の写真が飾られています。市川團十郎さん(享年66)、中村勘三郎さん(享年57)の写真もあり、既に故人となっている事を実感させられます。

客席は以前よりも前後の間隔が空いてゆったりとしたスペースになっており、1階にあった柱が取り除かれ3階席には勾配が付けられるなど、全ての席から舞台を見やすくなっています。 歌舞伎特有の舞台装置である回り舞台や、床を上下させ役者や大道具を運ぶ「セリ」が以前の3箇所から4箇所に増えるなど、大掛かりな舞台演出の為の工夫もみられます。

緞帳(どんちょう)も新調され、朝日を浴びる富士山の「朝光富士」(松尾敏男・作)、桜と紅葉の「春秋の譜」 (中島千波・作)、水辺に集う鳥の「水辺の四季」(上村淳之・作)、江戸時代の屏風(びょうぶ)からとった「夕顔図」の4種類となっています。 舞台は以前と全く同じ大きさで、素材には神奈川県の丹沢で育てられた樹齢100年超のヒノキ材が使われているそうです。




こちらは完成した歌舞伎座でライトアップのテストを行っている様子を伝えるKYODO NEWSの映像です。これは東京タワーなど多くのランドマークのライトアップを手がける照明デザイナーの石井幹子(74)と 石井リーサ明理(41)の親子のデザインによるもので、省電力効果から白色LEDによる照明器具が150台使用されています。開場後は季節によって照明の色を変えるなどの演出を行い、夜間は一部点灯とするそうです。




こちらは3/27の午前10時半頃から東京・銀座の中央通りで行われた「お練り」のもようです。これは「「祝祭と観光の街 銀座」歌舞伎座新開場記念 銀座・春のパレード「GINZA花道」」という名称で、地域ぐるみで行われた行事でした。

徳光和夫(72)の司会でセレモニーが始まり、中央区区長や松竹株式会社会長の大谷信義(67)、歌舞伎役者で日本俳優協会会長でもある坂田藤十郎(81)らの挨拶がありました。「お練り」にはベテランの歌舞伎役者から若手まで総勢63人が登場して新橋駅寄りの銀座通り口から銀座四丁目交差点までの約400mの区間を練り歩き、歌舞伎座新開場を祝いました。

この日はあいにくの雨でしたが、坂田は「芝居の方はお客様がふり込んでくる。縁起のいい門出になった。」と話しています。歌舞伎役者たちは滅多に無いこの行事の為に沿道に集まった多くのファン達から声援を浴びていました。




こちらは4/2のこけら落とし公演が行われる前の様子を伝える、「ANNニュース」(テレビ朝日系)の映像です。

降りしきる雨のなか、こけら落とし公演の初日を迎えた歌舞伎座前には「本日初日」の赤い垂れ幕や看板が飾られ、新橋の芸者さん達も訪れるなど彩りを添えています。前売り券は既に完売していることから当日券を買い求める100人以上の客が未明から長蛇の列を作っていました。

今回の新開場にあたり公演チケットを販売する切符引取機も全面的に刷新され、OKI(沖電気工業)によるキオスク端末の「SUKIT(スキット)」が導入されています。この端末は2013年内に新橋演舞場や大阪松竹座、京都南座など松竹の運営する他の劇場にも導入を予定しているとの事です。

列に並ぶ客たちからは、「午前4時に家を出た」というお年寄りの女性や、「すごくワクワクしています。勘三郎さんが残念な事になったけど、今日は色々な面影を追って楽しみたい」という年配の女性、「初日を見るというのは特別なので、紋付きの羽織を着て来た」という青年男性などの声が聞かれました。


午前10時15分に開場を告げる一番太鼓の儀が行われ、真新しい扉が開いて五代目歌舞伎座はついに開場しました。真紅の絨毯が敷かれた場内の来客のなかには森喜朗元総理や元サッカー日本代表の中田英寿氏などの各界の著名人の姿もみられ、坂田藤十郎(81)の妻・扇千景(79)や中村橋之助(47)の妻・三田寛子(47)、先日尾上菊之助(35)と結婚したばかりの寺嶋瓔子(30)、富司純子(67)などが来客を出迎えていました。

午前11時に開演の幕が開くと共に客席からは「待ってました!」の声が飛び、こけら落とし公演初日の第一部は人間国宝の坂田藤十郎らによって「壽祝歌舞伎華彩(ことぶきいわうかぶきのいろどり)  鶴寿千歳」が上演されました。これは新たな歌舞伎座の誕生を祝うに相応しい豪華な演目です。続いての中幕では変化舞踊、「お祭り」が上演されました。これは昨年12月に他界した中村勘三郎さんが新しい歌舞伎座でやりたいと闘病中に願っていた演目です。

勘三郎さんの長男の中村勘九郎(31)が次男の中村七之助(29)と共に演じ、勘三郎さんの孫の七緒八(2)が父親の勘九郎に手を引かれて登場すると、客席からは「中村屋!」の声がかかり拍手が起こりました。「せがれの七緒八も連れてきました。」と勘九郎が客席に紹介して、「さぞ十八代目・中村勘三郎も喜んでいることでしょう。」と坂東三津五郎が亡き勘三郎さんに捧げる言葉を述べ、「これもひとえにご贔屓、皆々様のおかげ。ありがとうございます。」と女型の七之助が言った後、舞台上の役者たちが揃って一礼していました。こけら落とし公演は来年の3月まで続きます。


公演を見終えた客からは、「初日に来られて本当に感激しています。勘三郎さんのファンだったので、ちょっと涙が出ました。」と話す女性や、「お孫さんの七緒八さんがお出になっていて、長丁場なのにじっと役者としてやっていらっしゃるのが素晴らしいと思いました。おめでたいのに、ちょっと泣けちゃう。」と話す年配の女性。また、「前の歌舞伎座と雰囲気も同じで懐かしい。三階席も見やすい。若い世代がずらりと並び、彼らが育ってきたと感じた。成長を見届けたい。」と話す年配の男性などの声が聞かれました。

こうして初日の公演は無事に終わり、過去から現在、そして未来へと受け継がれる400年以上の歌舞伎の歴史にまた新たな1ページが刻まれました。待ちに待ったこの新開場こけら落とし公演によって、まさに新生歌舞伎座の新たな時代は始まりを遂げたのでした。

来場した歌舞伎ファンたちの流した涙は、亡き市川團十郎さん、中村勘三郎さんを偲ぶ気持ちからだったのでしょう。「この晴れの舞台に出ることができたなら、どれだけ嬉しかったろう。」と…。










   


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