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既に4人目の死者。マダニ媒介SFTSウイルスに対処法なし


2/19にダニが媒介する新種の感染症SFTS「重症熱性血小板減少症候群」により、広島県内の成人男性が昨年の夏にも死亡していたことが判明しました。 今年になって日本国内で初めてその存在が分かったSFTSという新種のウイルスですが、先月に山口県でこのSFTSウイルスによる感染症で日本初の成人女性の死亡例が確認されたほか、今月に入ると愛媛県と宮崎県で男性2人の死亡を確認、更に一昨日の広島県での死亡確認で国内の死亡者は4人となりました。

このSFTSウイルス感染症は、4年前の2009年に中国で集団発症し、患者がたくさん出た事からその存在が明らかになりました。中国での患者の殆どが農作業に従事しており、2年後の2011年にそれがSFTSウイルスによるものと特定されました。今回国内で死亡した4人には最近の海外渡航歴はなく、国内で感染したものとされ、死亡した男性から検出されたウイルスは、国内で検出されたウイルスと遺伝子の配列が似ていることから、日本に元々あったウイルスと判断されています。

一旦感染するとその致死率は約12%と言われ、現状ではワクチンや特効薬は見つかっていない、まだ未知の部分ばかりの病原体がSFTSウイルスです。 厚生労働省には、この感染症で死亡したり重症化した可能性のある「疑い例」が他にも9件報告されています。 厚生労働省・結核感染症課の難波江功ニ課長補佐によると、「急にこの病気が日本に広がり、ウイルスが広がっているという訳ではなく、以前からいたものが色々な研究の進歩によって分かってきたという事です。」とのことです。

SFTSウイルスはどの様にして感染するのか?ダニ媒介の病原体はいくつか存在し、そうした病原体を持つダニは全体の1%にも満たないことから、実際の感染源の正体は「マダニ」によるものとされています。マダニとは、野外のやぶや草むらに生息するダニの一種で、春から秋の温かい時期に活発に活動すると言われています。
体長は3mm~4mmほどで、肉眼で見ることができる大きさですが、およそ数日間に渡り人などの血を吸い続け、体の大きさが数倍に膨れ上がり、血を吸った後の状態では1.5cmくらいにもなるそうです。特にマダニの中でもフタトゲチマダニとオウシマダニによる感染が現在最も疑われています。このダニは春にふ化して幼虫になり、草むらなどの生息地で動物の血を吸って成長すると言われています。




これは2/1にアップされたニュースで、2/19に広島県の男性の死亡原因がSFTSと特定される以前のものです。どうしても草むらなどの野原に入る場合は、長袖、長ズボンに長靴を着用とはいえ、専門家のアドバイスによればそれだけでは不十分な様です。思ったよりも更に周到に肌の露出を防ぐ用意が必要だという事が分かります。

吸血性を持つマダニに咬まれることで、ウイルスに感染する恐れがあるといいます。マダニは人間や動物などが出す二酸化炭素に反応してその体に飛び移り、鋭く尖ったアゴの部分で皮膚を刺し咬みつきます。そして、セメントの様な物質を分泌し皮膚にしっかりと体を固着させ吸血を行います。その際にマダニの唾液と共に「パベシア」や「エーリヒア」などの感染症をはじめとする様々な病原体を体内に送り込む可能性があると言われてきました。吸血を始めたマダニはそう簡単に皮膚からは外れず手で払ったくらいでは落ちないそうですから、これが数日間に渡って行われると思うと恐ろしくなります。


SFTSウイルスの症例としては、潜伏期間が6日~2週間とされ、38度以上の発熱、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、筋肉痛、せき、喉の痛みなどの症状をはじめ、 血尿などの下血、意識障害、けいれん、リンパ節腫脹にまで至るとされています。風邪やインフルエンザの症状にも似ており、最悪のケースでは血小板や白血球の減少による全身状態の悪化(内蔵出血や腎不全など)が起こり、場合により発症から1週間で死に至ることもあるそうです。

個々の感染者の抵抗力の強さやウイルスの増え方の度合いにより症状の出方は様々で、特に何の自覚症状も無く、全く発症に至らないという場合もあるとの事ですが、今のところ有効なワクチンや特効薬は無しという事から、とにかくマダニに咬まれないようにするという予防策しか今のところ対処法は無いとされています。


マダニは全国的に広く分布しており都市部でも確認されていて、犬の散歩やピクニックなどの行楽の時に付いたマダニが家の中に入り込むこともあるようです。 通常、家によくいるダニは1mm以下の大きさのツメダニなどが多く、マダニとは別の種類のものです。それによるウイルス感染の恐れは無いとされています。

冬が終わり更に気温が上がって春先になると、マダニの活動も非常に活発になってくるので、野外にこれから出かける時は春、夏、秋の全ての季節において注意が必要です。 来たる春を前に、知っておくべき予防法には、

① もし野外で活動する際は、肌を露出しないよう長袖、長ズボンに長靴を着用する。
② 野原や草むらの中に入らない。犬などのペットもそうした場所に入れない。
③ 野外からの帰宅後は服をよくはたく。
④ 体にダニが付いていないか確認し、入浴して全身をよく洗う。
⑤ 行楽の時などに、じかに草むらには座らない。
⑥ 感染者の血液や体液、排泄物との直接接触を避ける。

といったものがあります。 よほどの事がない限り、この6つの予防法を守れば安全です。特に犬や猫などのペットを飼っている方は、日頃から駆除剤や駆除用のシャンプーなどの使用を心がけて、家の中にマダニが入り込まないようご注意下さい。充分それを実行しても、またすぐペットの体に付着してしまうのがマダニというものです。




この映像はちょっとグロいのですが、多少勇気を持って見て欲しいです。これ、なかなか外れずに手ごわいです。見ていてハラハラしますけど..。一見、これを見ると腹をくくれるというか、もし自分がマダニに咬まれても覚悟ができる気もします。でも、実はこの様にマダニを生きたまま外すのは勧められません。なるべく深い部分から引っ張ったとしてもです。こうやって外した後でも、なおもマダニは生きているという認識を持つことが大事なのです。

慌ててこの様に体から外そうとしても、マダニは皮膚の中に前脚と頭部を深く食い込ませているので、その部分がちぎれて体内に刺さったままとなる場合もあり、そこからウイルスを取り込んで感染する恐れは消えません。また、誤って血を吸ったマダニの体を潰してしまうのも危険です。マダニが溜めた血が体内に逆流してウイルス感染の可能性が更に高まると言われています。マダニに咬まれた場合の最良の対処法とは、そのままワセリンなどの軟膏でマダニの体の上を覆って30分ほど放置する事です。するとマダニは窒息死して、皮膚から楽に外すことができるそうです。

全てのマダニがSFTSウイルスを持っているという訳ではないそうですが、その後もしも体に異常がみられ高熱や嘔吐などの症状が起きたら速やかに大病院で診療を受けるべきです。感染の疑いがある場合は、医療機関が保健所へ連絡するよう義務づけられています。医療機関としても決定的な治療法は無く、現状では対処療法のみに頼るしかないという事も予め知っておく必要があります。


こうした事例を受け自治体での対応が迫られるなか、厚生労働省は今後、3月からウイルスの検出作業を各都道府県の機関に拡げると発表しました。これまでは感染の疑いのある患者の血液を東京都の国立感染症研究所だけで検査してきましたが、春先からウイルスを媒介するマダニの活動が活発になる事から、ウイルス感染の確認の為の作業が増えると想定すると共に、マダニのウイルス保有率の調査なども検討していくそうです。

現時点での厚生労働省の対応は、全国の医療機関に対して感染が疑われる患者を診断した場合は、国への届け出を義務づけることを決定し、もし患者が発生した場合は周りで同じ様な症状の人がいないかも調査するとしています。


これまでの日本人の常識としては、ダニに咬まれて死ぬというケースは考えられませんでしたが、何故ここへきてにわかにSFTSなどというウイルスが台頭してきたのでしょう。昔から存在していたものが、こんな形で我々の生活を脅かすのは、生態系の異常だとか何か他に理由は無いのでしょうか?いずれにしても、農作業をされている方以外は草むらに入るという行為は日常では行わないものの、マダニを恐れてこれからの爽やかな季節に外出することもできず、今度の冬まで引きこもるなど不可能でしょうし..。

草むらのじか座り禁止といった行楽時にとる行動の制限や、ペットの散歩で共にくつろぐ場所なども野原や草むらはダメだという認識を持つのも日常的に当然となり、野外でのふとした行動もSFTSの恐怖の前ではいちいち考えものになります。とにかくアスファルトの路上だけを歩いていれば安全なんでしょうけど、いっその事この際は、家の中も布団も一度鬼の様にクリーニングしまくって気持ちだけは救われたいものです。とりあえずダニなんて存在に不安がらないようにするには、日頃のハウスキープと体を清潔に保つ努力しかないでしょう。そんな中、 「この夏、マダニが大量発生!」なんて事態にならない事を祈ります。

この記事を書いていてマダニの画像や映像を嫌というほど見てしまったので、人の血を吸って巨大になったやつとか夢に出てきてうなされそう..。今のところワクチンも特効薬も無しだなんて、ちょっと怖過ぎですよ。

これからは広い野原で大の字になって..とかもダメになるのか。心和む景色さえSFTSウイルスの脅威に変わるとは虚しい限りですね。












   


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