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価格競争再燃か?吉野家が史上最高のうまさで並盛280円に


4/10に大手牛丼チェーン吉野家ホールディングスが4/18午前10時から一部店舗を除き「牛丼並盛」を従来より100円安い280円で販売すると発表しました。他のメニューも「大盛」が40円安い440円、「特盛」を90円安い540円として、「牛皿」はサイズ別に40~90円の値下げとなります。

「並盛」を280円で販売してきたライバル店の「すき家」と「松屋」は安売りでは先行していましたが、今回の同社の価格設定はやっとそれに追いつく形となり、平均で3割弱の値下げを実現しています。当面はこの価格設定のまま販売して期間は特に設けないとのことですが、価格移行に伴って店内で牛メニューを円滑に提供する為、4/18から4/24の午後3時までは牛丼、牛丼弁当、牛皿、牛鮭定食、朝定食以外のメニューは休止するそうです。


同社が牛丼の「並盛」を280円という価格にするのは2004年の2月に牛丼を一時販売休止して以来、およそ9年ぶりの事です。販売休止に至った理由は、原材料の牛肉が2003年末に米国でBSE(牛海綿状脳症)に汚染されている事が確認された為に、主要食材である米国産牛のバラ肉の輸入がストップするという問題が発生したからでした。

牛丼店でありながら牛丼を販売できないという異常事態は2006年の9月まで続いた為、およそ2年7ヵ月の期間、「豚丼」や「豚皿」といった牛肉を使用しないメニューに切り替えざるを得ませんでした。

ようやく2005年の12月にBSEの発生リスクが低い月齢20ヵ月のものの輸入を再開することが認められ、同社は「牛丼のない吉野家」の苦しい期間を経て、2006年の9/18に100万食を販売するキャンペーン「牛丼復活祭」を実施して並盛りの販売を380円で再開し、現在に至っています。

その後は競合ライバル店同士で価格競争が起こり、他店では「並盛」が280円となり、「すき家」のキャンペーン価格などでは最低250円まで価格が下がりましたが、同社は価格競争を避け新メニューの開発といった独自の路線を歩むことになりました。


今年の2月に米国産牛肉の輸入規制が緩和され月齢30ヵ月以下のものまでが輸入可能となり、牛丼に適した牛肉の調達が安定化し安く入手できるようになった事や、日本がTPPに参入することによって牛肉や豚肉などの食肉の価格が低価格で安定期に入るといった期待から、同社は原価を低減できる見込みが立った為に今回の値下げに踏み切ったもようです。

同社の安部修仁会長は4/10に都内で開いた「吉野家2013年商品戦略発表会」の場で、「従来の価格では満足できる売上数に届かなかった。客が求める価値のうち、今は「価格」が最も大きい要素だ。価格の部分でお客さまの期待に応えられていなかった。同業他社の動きも見て、さまざまなアプローチなどから280円が適している と判断した。」と話し、現状の同社の課題を発表しています。この値下げによって、今後は売上高で15~20%増、客数で約3割増を見込むとの事です。

更に安部会長は近年の業績を振り返り、「うまい、やすい、に至らず、販売量が低下した。価格と味の両方で満足が行くものを提供できていなかった。」と付け加え、創業以来の「うまい、安いを取り戻す」ことを強調すると共に、今回の新価格の牛丼については、「吉野家史上、最高のうまさだ。」と自ら褒めるなど、自信のほどを見せていました。




こちらは同会での安部会長の発表と、吉野家の新CMに起用された宮川大輔(40)、相武紗季(27)、斉藤和義(46)の会見の映像です。「嬉しいです。ガツガツたべちゃおうと思います。」とコメントした相武の出演する新CMは、0分36秒の所から画面左下にワイプ表示されています。3人が出演する吉野家の新CMは4/18の価格改定と同時にオンエアされる予定となっています。




こちらも同会見の映像ですが、今年4月から8月まで米カリフォルニア州の大学へ語学留学に行くという相武が2分35秒辺りからその話題を振られると、「(英語力に関して)あまりハードルを上げないで下さい。」とプレッシャーを感じながらも、3分18秒のところで「(英語の習得期間は)どれぐらい先ですか?」とお決まりの質問で促されると、自身の名前にかけた「"だいぶ先" じゃないですか?」というお馴染みのギャクで返し、笑いを誘っていました。w 


同社は値引き競争から一線を画し、一昨年9月に「牛焼肉丼」を480円で販売するなど高価格路線を取っていましたが、今年3月までの売上高は6ヵ月連続で減少しており、15ヵ月連続で客数が前年割れとなるなど苦戦が続いていました。昨年の9月時点で4億円の黒字だった税引き後の利益は2010年2月期の89億円の赤字以来3年ぶりに3億円の赤字に転落し、4/12に2013年2月期の連結決算の業績見通しを下方修正しています。

値下げによる価格競争が再燃することで利益率低下を指摘されると、「利幅は減らない」と強調し、その理由として調達コストの削減や調理オペレーションの効率化による人件費の削減などを挙げています。赤字の理由を「主力商品の牛丼の価格が他社より100円高かったのが響いた」としており、4/18からの値下げで来店客数と売上高が回復するとの見通しを示しています。

牛丼各社の値下げは昨年から沈静化していますが、政府と日銀がデフレ脱却を目指す中、デフレの象徴とも言える牛丼チェーンでは値引き合戦が再燃しています。今後は大手3社の牛丼の価格が280円と横並びになる事から、値下げ競争が再開するかについては他の2社は共に「現時点では決まっていない」としている為、まだ何とも言えません。現状では、「すき家」が「春の感謝祭」を4/12の午前8時まで、「松屋」も4/15の午後3時まで、それぞれ期間限定で牛丼商品の30円値下げを実施しています。


やはり興味深いのは味に関してですが、上記の「吉野家2013年商品戦略発表会」の映像の冒頭に表示されていた吉野家の新しい店内ポスターと思われる画像にあった、「吉野家史上、最高のうまさへ。」というキャッチコピーがそれを物語っているのではないでしょうか。よほど自信が無ければ発表できるものではなかろうと思います。

消費者としては低価格かつ従来の牛丼の味の更に上を行くものであるかを期待するところでしょう。既に同会に出席して試食した人が、「新しい牛丼を食べてみて何より驚いたのは、たしかに違いが感じられたこと。見た目では現在の牛丼との違いが全く分からないが、食べた瞬間、「これは学生時代に食べていた味だ!という記憶が蘇った。」といった好評価をしています。

しかし一方では、「ただその違いはとても小さなもの。どこがどう違うのかと問われるときちんと説明できる自信はない。感じたのは口に入れた瞬間の脂の味わいと後味の甘みが柔らかいこと。ただそれもその場で食べ比べたわけではないので、何とも言えない。」という感想もみられる事から、これだけは自分で確認するしかなさそうです。


個人的に牛丼チェーン3社の中では吉野家が群を抜いていると感じてきましたので、今回の「並盛」280円の復活は大変有難いと感じます。これは比率として考えると26%の値下げとなる事から、それに美味しさが加われば最高の企業努力をしてくれた事になります。さて、安部会長の自信の程は如何なものでしょうか?

新CMの相武紗季は適役でした。上記の映像で美味しそうに牛丼を食べていただけに、確認の意味も含めて早速価格改定の初日に入店してしまいそうです。いや、味比べをするなら前日にも行くべきか…。話のネタにするにはそこまでやるしかなさそうです。w

ともあれ、再び値上げして元の価格に戻すのは「だいぶ先」にして欲しいものですね。










   


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