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都が弁当の路上販売に「待った」、販売方法や衛生面の調査へ


東京都と中央区は、都心部のオフィス街の路上で弁当を販売する業者が増えてきた事から、その販売方法や衛生面の管理などをめぐり初めてその対応について協議し、4/22に区や市の担当者らによる「路上弁当販売にかかわる検討会」を立ち上げました。

弁当の路上販売は「屋台」とは異なりその場で調理をしないことから、都条例では昔ながらの豆腐やアイスキャンディーの移動販売と同じ「行商」として扱われ、保健所への届け出のみで誰でも営業できるものです。保険衛生面の手続きに関しても、その場で調理する「屋台」と比べれば簡略化されています。

この数年では都心部などで昼時にサラリーマンらの利用者層を見越して500円以内で買える「ワンコイン弁当」を販売する業者が増加しており、届け出数は10年前の2002年では263件だったものが約2.2倍の568件に増えており、ワゴン車などを使って大量に弁当を運び込んだり届け出を行った保健所の管轄外に移動して販売するなどの条例に反する営業形態もみられるそうです。

同検討会は路上販売の営業場所や販売量などの実態調査を行い、衛生面で問題が無いかといった分析を含め今後の規制を強化するかどうか判断するとしています。これは3/14の都議会予算特別委員会で川澄俊文福祉保健局長が明らかにしたもので、調査の結果、都条例を逸脱した販売が行われている場合には規制強化も検討するとしています。

都は実態調査の結果、必要とされれば都の審議会に条例に新たな営業形態の規定を設けるなどの対策を諮問する方針であるとの事で、今のところ路上販売の弁当で食中毒が発生したとの報告はないものの、東京都食品監視課の田崎達明課長は「まず実態調査を行った上で内容を綿密に把握し、新たな規制を行うのか、行政内部で指導していくのか、何らかの形で対応を考えたい。大規模に売るのであれば店舗と同水準の衛生管理を求めていきたい。」と話しています。




こちらは実態調査に関するニュースを報じる「ANNニュース」(テレビ朝日系)の映像です。業者数と利用者数をみると大盛況ぶりがうかがえ、近隣に飲食店やコンビニの無い地域では欠かせない存在となっている事が分かります。

弁当の路上販売の人気の理由はどこにあるのでしょうか。元々商店もコンビニも近くに無いか、歩いて行くには遠いといった地域が中央区などの都心部にはあり、以前からごく少数の弁当の路上弁当業者がいました。それが年々サラリーマンやOLの利用者が増えるにつれ、便利で安くメニューも豊富という事から昼食に欠かせない存在となり業者数も増えていきましたが、なかには無届けの業者もいるとされています。

今回の監視員による調査は東京都・中央区で行われましたが、こうした見回りは2007年から強化されてきました。制服に帽子を着用し背中に「路上弁当監視」と書かれた監視員の姿はまるで警察官の様で威圧感があります。都の食品監視課は、「弁当を直射日光の当たる場所で販売すれば、温度管理が不十分になって細菌が増殖する。」 と指摘しており、「夏場は特に危険である」と強調しています。

同区は衛生管理の面で問題がある事を受け、昨年抜き打ちで細菌検査を実施したところ、路上販売の弁当の約8割から基準値を超える細菌が検出されました。弁当の表面温度は25℃までが目安とされ、30℃を超すと細菌の繁殖が活発化すると言われています。例え日陰に弁当を置いても、夏場では気温が30℃を超えていることから表面温度をそれ以下に保つことは不可能とされます。

業者側は専用ボックスに弁当を入れ保冷剤を使用するなどして夏場の季節は温度管理を徹底して販売しているとの事で、これまでに食中毒の被害例は1度も起きていません。現状では自発的に行われているその様な対処法に何の基準も設けられていない事から、都は8月までに規制の必要性や内容について検討会としての方向性をまとめる方針です。


ビル街の路上は昼時を迎える前から弁当を載せた台車が連なり始め、通常の弁当の他にも韓国風ビビンバやカレーなどのメニューもあるといった「屋台村」さながらの風景に変わります。価格も飲み物付きで500円とリーズナブルで、近くのオフィスに務めるサラリーマンやOL達が列に並んで好みの弁当を買い求めるといった姿は日常的なものとなっています。

「近い、早い、安い」と三拍子揃った路上販売の弁当は、更にバリエーションが豊富であるという価値も加わっている為に利用者も多く、こうした都の動きから場合によっては今夏から路上販売が禁止となる可能性があるため、同区日本橋のサラリーマン達は気が気でない様です。

利用客の男性は、「種類も豊富で値段も安い。サラリーマンの強い味方です。」と満足気に語り、また、弁当を購入した男性は、「小遣いも減る一方で1食1000円のランチ代は出せない。弁当がなくなったら昼食難民になる。」と不安の声をもらしています。なかには週の半分以上は利用しているという客もいて、飲食店の少ない都心部のオフィス街で働く人とっては路上販売の弁当が必要不可欠な物と重宝がられている様でした。

この需要の高さと人気の背景には、不況の影響で昼食代を切り詰める人が増えたことがあります。どの弁当も500円以内という「ワンコイン価格」は業者が店舗を持たない為に経費が抑えられている事から実現しているそうです。 2つめの理由としては、複合ビルが増えたり企業の合理化で社員食堂自体が無くなったりしたことも影響しています。弁当の購入者からは、「450円でした。やっぱり安いですよね」、「外で食べると高いですし」、「コンビニだと割高になるので、とても助かります」といった声が返ってきました。



しかし、当該の中央区は都内で弁当の行商が最も多い区であることから、路上で販売される弁当は販売方法が東京都の条例に違反しているとして問題視しています。

都は販売方法だけでなく衛生面も問題視しています。日の当たる屋外で販売するため、特に気温の上昇する夏場は細菌が増加するなどして不衛生になる事を懸念しており、トラブルを未然に防ごうと中央区は監視員によって弁当が売られている場所を定期的にパトロールを行い、業者に対して、「なるべく日の当たらないところで…」と注意を促しているとの事です。

中央区保健所の吉原利明生活衛生課長は、「安いということよりも、安全安心の確保を最優先にしているので、何を言われようが、その確保に向けて臨んでいかなきゃいけない。」と、衛生面の重要性を同様に強調しています。中央区保健所では東京都の通知に基づき、弁当類の行商については固定店舗又は食品営業自動車での営業に変更するよう指導しています。




こちらは「TOKYO MX」による都内の新宿中央公演を移動販売車によってイメージアップするというニュース映像です。移動販売車による食品の販売は行商とは違い、車内でその場で調理をする為に食品衛生法の対象となる「屋台」に該当します。よって現在、中央区などで問題となっている弁当の路上販売とはまるで別の扱いです。


今回の調査・指導の対象となるのは現状の問題点として挙げられている以下の様な業者です。その程度により指導で済む場合もあれば、即座に検挙される場合もあります。特に無許可の場合と消費期限無しの弁当の販売に関しては厳重な取り締まりが行われます。

● 車を止めて販売する場合、必要な許可を取らず駐車違反など道交法上の問題がある事
● 車で大量に運ぶなどして、弁当の販売量が行商としての許容許限度を超えている事
● 管轄地域の保健所に届け出をせずに無許可で弁当を販売している業者がいる事
● 街角で多くの業者が移動せずに客を待ち、路上に弁当を陳列している事
● 弁当の温度管理が基準を満たしておらず衛生面で問題がある事
● 製造者および賞味期限の表示が無い弁当を販売している事


このような路上販売の弁当を、一律どのように扱うのか。今後は規制強化も考えられることから既出の田崎課長は、「弁当の路上販売で食中毒が多発しているとの報告はないが、大規模に売るのであれば店舗と同水準の衛生管理を求めていきたい。」と話しています。

確かに路上で売られている弁当の製造の現場では食品工場と同様に服装やマスク、手袋の着用といった充分な衛生管理が行き届いているかに関しては疑問も多く、その実態は把握できていません。行商のルールに則った販売方法に関してもこれまではザル法的な扱いであった事から、これ以上業者の数が増えてしまうと管理するのは難しく、現時点で総合的な実態調査の必要性に迫られる事態となっている事は確かです。


昨年の12月には、消費期限の表示ない弁当を路上販売したとの事で大阪の経営者らが書類送検されています。大阪府警港署は弁当に消費期限を表示せずに路上で販売したとして、12/12に食品衛生法違反(表示基準違反)の疑いで、大阪市西区の弁当販売店経営の女(65)ら男女4人を書類送検しました。

送検の容疑は9/28の午前、市内西区と港区の路上で消費期限や製造場所を表示せずに弁当を販売したとされています。同署によると、弁当は市内の大正区の弁当店で製造され、市内9ヶ所の露店で売っていた事が分かっており、価格は500円で1日約170食を製造し、約6万8千円の売り上げがあったとの事でした。


東京の同業者ではこの様な摘発事例を耳にしたことはありませんが、多くの業者がきちんと法遵守で販売を行なっていたのか、それとも規制が甘かった為に摘発逃れが横行していたのかは分かりません。食中毒の事例がこれまでに無かったのは幸いですが、都としてはこの大阪の摘発例に呼応する形で先手を打ってきたのでしょうか。

今夏までに手厳しい規制がかかれば少なくとも業者数の激減となるか、場合によっては都心のオフィス街から弁当の路上販売が消えて無くなる可能性もあります。なかには規制前に自主規制するといった形で廃業を止むなくされる業者も出てくるかも知れません。いずれにせよ業者にとっては死活問題ですが、利用者もまた結構なダメージでしょう。 ほんの1日から長くても数日以内に留まるにせよ、多くの人がある日突然に都会の真ん中で「昼食難民」に余儀なくされるというケースは充分考えられます。


O157等の大腸菌の猛威は記憶に新しいところで、夏場に食中毒が大量発生する前に今回は都としては珍しく、「備えあれば憂いなし」を地で行く先手を打ってきた様ですが、ならば「昼食難民」にならないようにする為にはどうしたら良いのでしょうか?それには以下の様な対処法が考えられます。

① 弁当を持参
② 通勤中に昼食を購入
③ 食材を持参し職場で調理
④ 遠い店(コンビニも含む)で購入
⑤ 遠い店で外食する
⑥ 弁当の仕出し業者を利用
⑦ 移動販売車による店を利用

この当たり前の事が「近い、早い、安い」のワンコイン弁当で随分と楽をした後では、かなりシンドい筈でしょう。どれも簡単そうでいて、手間やコスト、時間といったものが犠牲となりそうですが、唯一スムースな移行が行えそうなのが⑦ですが、路上販売の業者が減るか無くなってしまった分をどれだけの移動販売車によるお店がカバーしてくれるのかは未知数で、運良く見かけても売り切れは必至と思った方がよく、地域によっては道路の事情もありますので全く期待できない場合もあります。

続いて楽なのは⑥の仕出し業者の利用でしょうか。これは現在、路上で販売している弁当の製造業者が何らかの形で宣伝活動を行い、事前の注文制を取りオフィス内に弁当を運搬するといった仕出し業者になれるかどうかですが、今回手痛い規制が入れば、それは既存の専業の業者が参入するチャンスとも言えます。電話1本、メール1通といった事前の注文だけでほぼ昼食の需要は満たせる筈ですし、コストの面も希望によって調整が利くでしょう。

①はかなりシンドいチョイスですが、ご飯のみを持参しておかずは②の方法を取るといったコンビ作戦もアリでしょうか。毎日の昼食を全て自炊でまかなうにはかなりの労力と経済面での出費を強いられます。逆に考えれば、例え路上販売の弁当と同じ500円といったコストで弁当を作ることができたとしても、その労力と時間の浪費はばかになりません。

男女を問わず、独身の者にとってはかなりの根性と覚悟が必要とされますので覚悟が必要です。まずは弁当箱の購入からスタートですが、人気のある弁当箱にはそれぞれの理由がある様です。

②に関しては自宅周辺でもどこでも昼食を通勤時の朝のうちに購入してしまうという方法で、時間的なロスは数分程度で済みますが、その数分が苦痛な人もいれば満員電車でコンビニ弁当1つ運ぶ違いだけでも凄いストレスになってしまう場合もあるかも知れません。コスト面の違いは余り無さそうですが、意外と飲み物の価格が響いてきそうです。バリエーションに関しては夕食もコンビニのお世話になっている人は特に飽きが来るのが早いかも知れません。やはり路上販売の弁当は何にも代えがたい偉大な存在だったという事になるのでしょうか…。

③という選択肢は勤務先次第でしょう。オフィスに電子レンジが有るか無いかでかなり可能性が違ってきます。お湯だけで食べられるカップ麺なども調理の範疇と考えれば、週に1度以上は取り入れたい手段です。しかし栄養のバランスに関しては保証できません。職場の電子レンジで本気で調理したい人は、思い切って「ルクエ・デビュー」してしまうというのはどうでしょうか?

腐りにくい食材は常温のまま、腐りやすい食材は冷凍で対応して、全て持参です。半調理弁当という位置づけでしょうか。周囲から白い目で見られない事を祈りますが、「ルクエ」もより広範囲にシリコンスチーマーという1つのジャンルとして考えると、現在では様々なタイプが発売されています。あとはやはり下準備の手間の問題だけでしょうか。

④と⑤はシンドそうですね。まず昼休みという限られた時間内にどこまで歩いて行けて帰って来れるかという算出を基に行動範囲が決まってしまいますので、地域によっては1km以内に何も無し、あるのはとんでもない高級店のみといった状況もあり得るでしょう。

自転車の活用もアリですが、職場のビル管理上の問題も立ちはだかってきます。仮に飲食店で昼食を取ることができても毎日1000円前後といったこれまでの倍額の出費も覚悟しなければならないといったコスト面の問題が大きく立ちはだかります。しかも同じ境遇の人達が1つの店に殺到する可能性も高く、いつでも満員状態で喜ぶのは店側だけという事態です。

列を待っているうちに0時50分になって何も食べず帰社するといった事態も想定できます。これぞまさしく「昼食難民」そのもので、できれば避けたい選択肢です。コンビニとて往復30分もザラで、帰社して何だかんだ味も分からぬまま10分くらいで食べ終えても、あっという間に昼休みが終わることでしょう。その状況とて「準・昼食難民」くらいの位置づけではないでしょうか。バリエーションの弱さ、5分遅れで売り切れといった痛い事態も想定できます。

ならばやはり、①と②、あるいは①と③の合わせ技というのは結構現実的かも知れません。①はご飯のみ持参とし、②はお湯で温めるだけのレトルト食品を持参か通勤中にどこかで購入するという手段です。自宅での調理のゆとりがあれば野菜類やサブの惣菜を1つ2つ加えた弁当とし、メインのおかずのみお湯かレンジで温めて会社で調理というスタイルは週に数回は実現できそうな気がします。やはりカレーと牛丼の具が人気の上位を占めている分野なのでしょうか。

①と③の合わせ技はレトルト食品に限らず、冷凍食品という選択肢もあります。コンビニの冷凍食品では選択肢が狭いので、帰宅時の前日や休日にスーパーでまとめ買いという手段か通販買いが妥当でしょう。


⑥の仕出し弁当屋の利用に関しては、およそ30年前に自分が体験したことがあります。理由は特に昼食難民になった訳ではありませんでしたが、近隣に納得できる味の飲食店が無かった事から試してみましたが結構長続きしました。当初は3社の弁当屋を競わせてトライアルを行い、その中で最も味とボリュームの点で満足のいける業者に決めました。週替わりのメニューを毎週金曜日に業者が持ってくるのが何だか楽しみで、冬場は高カロリー気味の550円コースにしたり夏場の食欲減退時は420円コースに味噌汁で充分だったりと、結構当時の記憶が蘇ります。

注目すべきは今回の調査で都がどう動くかですが、ほぼ現状維持とするには販売業者側に対する要求水準が相当高くなるかも知れません。都としては最悪の事態は食中毒の集団発生ですから、一定の厳しい水準を設けてある程度業者数をフルイにかける事が目的なのか、あるいは鉄のオキテで完全に弁当の路上販売の業者を排除するのが目的なのか、今はまだ何とも言えない状態です。

これまで路上販売の弁当で楽できた分だけ他の選択肢はシンドくなる事うけあいですが、とりあえず昼食に関しては最悪の事態を想定しておくべきで、もしも「徹底排除」となった場合は毎日の昼食をどうするかだけはマジで考えておいた方がよさそうです。

逆に意外と規制がユルかった場合は何だかんだ秋口にはまた復活しそうな気もしますけど、一度でも食中毒の被害が出ると、とたんに状況は一変して弁当の路上販売業者というもの自体が冷え切る業界になっていくと思います。

ともあれ、この問題は毎日の昼食に関わる当事者としてはかなり深刻な問題ですので採り上げるべきと判断しました。自分は過去に毎日弁当を作った経験もありますけど2ヵ月が限界でした。30分早く起きてひたすら弁当作りは仕事よりシンドかったです。

 

そういえば、上記の仕出し弁当の毎日だった80年代の頃は職場で女子社員が自発的に味噌汁当番とかやってくれていて楽しかったです。不思議な事に同じ味噌で同じ具でも作る女子によって味が違うのです。もし当時それが許されない職場だったなら自分は転職していたかも知れません。

ですから、いきなり「昼食難民」になったならば「会社辞めます」に発展する可能性もあるでしょうか..。これって、ふと考え込んでしまうほど深刻な事態なのです。














   


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