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辛坊治郎と岩本光弘がヨット浸水から無事生還!漂流体験語る


ニュースキャスターの辛坊治郎(57)と全盲のヨットマンの岩本光弘(46)が世界初のブラインドセーリングによるヨットでの太平洋横断を目指していましたが、出港から6日目の早朝に突然船体が浸水するという緊急事態が起こりました。的確な判断から2人は航海を断念して船体放棄し、約10時間の漂流の後に無事救助されました。


2人は一昨年にアースマラソンの完走を成し遂げた間寛平(63)が使用した「エオラス号」に乗り込んで6/16に福島県の小名浜港を出港し、およそ9000km離れたアメリカ・サンディエゴを目指していましたが、6/21の午前7時半過ぎに小名浜港の南東1200km周辺の北緯32度58分・東経152度49分の洋上で浸水するという事態に陥りました。

浸水の原因は不明とされていますが、岩本は直前に衝撃を感じ船体が壊れるような音を聞いたと会見で話しています。船体の前方には構造上ダメージを受けやすい箇所があった事が分かっており、コンテナや流木の突起部などの硬い漂流物や大きな魚などがその部分に衝突して穴が開いたか、あるいは元々船体にある給排水用の穴に繋がれたホースや接合部の故障といった可能性が考えられています。




こちらは「TBS News i」による事故の瞬間の映像で、辛坊が持ち帰った記録媒体を今回の太平洋横断を企画した「プロジェクトD2製作委員会」が海上保安庁に提出したものです。海は荒れ気味ですが少し前まで天候は良かったそうです。

やはり何らかの黒い物体が衝突した直後に浸水が始まった事は明白で、海洋冒険家の堀江謙一(75)は、シャチではないかと推測しています。専門家が映像を解析した結果、最新情報ではマッコウクジラの尾びれが衝突したという説が有力視されているようです。今回の事態の経緯は以下の通りです。

【 エオラス号の浸水から2人の救出まで 】

6/21 午前07時35分  : 辛坊から企画事務局へ、「右舷から浸水あり、船体放棄しかない」と連絡
6/21 午前07時41分  : 企画事務局が海上保安庁へ救助を要請
6/21 午前08時01分  : 辛坊から企画事務局へ、「船体を放棄しました」と連絡
6/21 午前11時44分  : 海上保安庁が救命ボートを発見し2人の無事を確認
6/21 午後03時頃    : 気象条件が悪い上に救難飛行艇US-2が燃料不足で、海上自衛隊が救助を中断
6/21 午後06時頃    : 救難飛行艇が再度救助に向かい2人を救出
6/21 午後10時半過ぎ : 神奈川県の厚木基地に2人が到着


以下の4分割された映像は厚木基地から2人が東京に移動した後に6/22の深夜0時15分から行われた会見のもようで、ソースは「ANNニュース」(テレビ朝日系)が報じたものです。このブラインドセーリングの企画の発案者がアースマラソンでヨットに同乗した間寛平の元マネージャーの比企啓之(50)だった事から、新宿の吉本興業東京本部が会見場所となりました。比企はエオラス号のオーナーでもあります。



冒頭で深々と頭を下げる2人からは焦燥している様子が伝わり、まずプロジェクトD2製作委員会からお詫びのメッセージがあった後、体力が消耗している事を配慮して2人に椅子が用意されると辛坊はそれを断っています。

「本当にご迷惑をおかけしました。」と陳謝する辛坊の目には無念の涙が浮かび、救助に当たった海上保安庁と自衛隊の方々に感謝の気持ちを述べると、岩本が固く目を閉じて、「私が持った夢がこのような形で皆様方にご迷惑をかけることとなりました。」と詫びると共に命を救ってくれた関係者に対して感謝の気持ちを述べました。

記者の質問が始まると、2人は浸水時の様子を語り始めます。岩本は浸水前に「ドン、ドン、ドン」と3回の衝撃を感じ、一時は水をかい出すなどやれるだけの事はやったと語っています。その瞬間、辛坊は寝ていたようですが海上にはレーダーに映る物は何も無く、また、座礁もあり得ないと断言しています。




浸水はヒザ下にまで達しており、備え付けの救命ボートに乗り込むまで10分と持たないであろう状況だったと判断できた為に、船体放棄はやむを得なかった事が伝わってきます。救助の要請から船体放棄の連絡までは約20分間でした。

救助に関しては自衛隊の日常の訓練でも行わない程に困難を極めたようで、7分15秒の所で辛坊は海上自衛隊の方が自らの命を落とすかも知れない状況下でよく助けてくれたと感極まって涙ながらに話しています。

記者から再チャレンジについて聞かれると、「これだけ沢山の人に迷惑をかけて、口が裂けても、もう1回やりたいとは言えないでしょう。」と辛坊が興奮気味に話すと、岩本もその言葉に同意していました。




救命ボートの中では体温を奪われた為に体を寄せていたそうですが、低体温症の恐れもあり2人は互いに励まし合っていたと岩本が話し、非常用持ち出し袋があった為に食料や衛星電話、更にGPSまで揃っていた自分達は幸運な漂流者であり、体が冷えていく事以外に危機感は無かったと辛坊が明かしています。救助の際は波が荒く、2人は救難飛行艇から発進した小型のゴム製モーターボートに乗り込んで救助されていた事が分かりました。

2分36秒の所で辛坊が手に持っている自衛隊員のワッペンがカメラに映し出されますが、これは辛坊が自分達を救助してくれた自衛隊員に名前を聞いたところ、それはできないと言われたので、せめて所属チームを教えて下さいと言うと腕に付けていたワッペンを剥がして渡してくれたというものです。

2人を救助した自衛隊員の所属部隊は海上自衛隊岩国基地第71航空隊である事が辛坊の説明から判明しています。




今回の件で何かニュースキャスターとして発言してきた立場が変わったかと聞かれると、「正直言うと、今後どのツラ下げてという感じがしますね。しばらくは自らを省みる時間が要るだろうなと思います。」と辛坊は反省の意味を込めて答えていました。浸水の原因究明に関しては、6/24以降に横浜の海上保安庁に事の顛末を企画事務局の担当者が説明しに行く予定があるとの事です。

最後の質問が終わり一旦は会見が終了となりましたが、辛坊の要望で質問があれば答えるとの事から再び続行されました。その後の質問に辛坊が答えた内容から、健康状態については救助直後の体温が35度台で低体温症になりかけの状態だった事や、持ち出した食料や水は5日~6日程度は生きられる分があった事が判明しています。

厚木基地に着く前に救難飛行艇の片方のエンジンにトラブルがあり、残り1つのエンジンをフル回転させてようやく生還したというエピソードを最後に辛坊が語り、再び2人は深く頭を下げて会見は終了しました。



会見を見ると、不測の事態により救助された辛坊と岩本がまるで何か悪い事をした人の様ですが、如何なる理由であれ世間を騒がせた者が悪者呼ばわりされてしまいがちなこの国の風潮からそうなってしまうのでしょうか?彼らは元々冒険に挑んだヒーローではないかと…。

命を張った冒険には常にトラブルが付き物ですから仕方のない事だったと思いますし、それよりもヨットの浸水から船体放棄するまでの判断が早かった事や、救命ボートに乗り込むまでの行動が迅速かつ冷静であった事は評価に値すると思います。

特に今回は岩本が盲目であった事から、彼の命を必ず守るんだという決意が辛坊の発言から感じられ、陳謝どころか果敢にその役目を成し遂げた英雄であるとさえ思います。しかし辛坊の真面目な性格から、後日この体験を面白おかしく語るとは思えず、また決して美談に持ち込もうとするエゲツなさも無いでしょう。

辛坊の発言にあった通り、「どのツラ下げて」世間に顔向けできるのだろうかという気持ちで今は一杯かも知れませんが、人命救助は自衛隊の仕事ですから反省よりも感謝の気持ちだけで充分ではないかと個人的には思います。何より2人とも無事生還できたのですから事無きを得て良かったです。



辛坊は昨年末に人間ドックの診断結果から十二指腸癌が見つかっており、そのまま放置すればあと3年の命と宣告されていました。その様な状況下で岩本と共に世界初のブラインドセーリングによる太平洋横断に挑戦した訳ですから、健常者とはいささか異なる心境で臨んだものと思います。

「この国の国民で良かった」と会見で感涙していた辛坊はニュースキャスターとしての激務が続いてきた後に今回の事態となった事もあり、当分体を休めて充電すべきだと思います。また、「自分が(辛坊を)誘った」という責務に苦しむ岩本に対しても、活動拠点のサンディエゴに戻った後はゆっくりと休養して下さいと言いたいです。


辛坊は6/22に大阪府の自宅に帰り、「少し時間をもらっ­て反省し、納得できるまで今回のことを見つめ直したい。」と話しているそうで、テレビ出­演は当面自粛しメディアの取材にも応じないとしています。

岩本は船体からの脱出時にパスポートとグリーンカード(アメリカ永住権証明書)を紛失している為に、再発行手続きが終わるまで国内に滞在し関西在住の親族の元で過ごすことになっているそうです。


例えこの様な形で今回のチャレンジが失敗に終わっても、充分に2人の勇気ある決断は功績として残るのですし、世の人々に冒険というものの難しさや厳しさを伝える役目を果たしてくれたと思いますので、本人達は何ら反省したり後悔する必要はないと思います。

自分としては「よく頑張った!」と2人を称賛したい気持ちで一杯です。
きっと将来は良い事がある筈でしょう。お2人共お疲れ様でした!










   


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